2013年01月18日

テーブル修理

テーブルの天板の修理のご依頼を頂きました。25年前、ある家具職人さんに作ってもらったオークのテーブルの天板がひび割れてきたそうです。妻に手伝ってもらって、なんとか工房に持ち帰りました。

天板のサイズ1000mm×2000mm、厚み約40mm。重さは100kgを超えているかも。重っ。

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板接ぎ(はぎ)の部分が数か所はがれていました。お客様宅では上の写真向かって右側に薪ストーブが設置されていました。薪ストーブ側の天板の乾燥が進み、材が縮み、反って接着がはがれたようです。完全にはがしてみると中は…。

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雇いザネ。なんと12mmの溝に9mmのサネ、黒い筋は3mmの隙間。しかも合板、うーん…。

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とりあえず溝を埋めるため、ルーターで綺麗に溝をさらえます。

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やはりオークにはオークで埋め木を(ちゃんと12mmでね)。
このあと接着面を直線に削る作業に。とりあえず「手押し」で直線出し。でも約70kgは手で押せませんっ。またまた妻に手伝ってもらいました。感謝。

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その後、鉋で接着面の仕上げ。横にも縦にも反ってねじれていて、平面出しに半日かかってしまいました。しかもお客様のご要望で天板の表情は今のままが良いので表面は削らないで欲しいとのこと。天端の目違いは出来るだけ抑えなければなりません。弓なりにへこんでいる天板と天板を揃えて接着するためには、ストロークの短い定規の機械で溝を突かなければなりません。よってビスケットジョイントで接着しました。

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接着中。

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オイル塗装はお客様ご自身がされるとのことでしたが、やはり天板にコンマ数mmの目違いが出てしまったのでペーパーで目違いを払い、全体に薄くウッドワックスを塗布させて頂きました。

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無事完成(ほっ)。無垢材の家具はこうやって修理して長く使い続けることができます。

長年家族を見守ってきた大きなダイニングテーブル、アンティークの様な味が出てかっこいいですね。もう子どもたちは巣立っていったそうですが、これからはご夫婦と一緒に第二の人生を過ごしていって欲しいと思います。私の製作した机ではありませんが、私にも愛着が湧いてきました。また何かありましたらいつでもご相談下さい。

私の作った家具もこのように家族に長く愛され続けてもらえれば、と日々思いながら今日も製作に励みます。



posted by 雄倉高秋 at 13:48 | Comment(0) | 家具の修理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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