先日、工務店さんから木製窓のご相談をいただき、パイン材の窓の試作品をお作りさせていただきました。
既製品のサッシは、防水性・機密性・断熱性に優れ価格も手ごろですが、どれも同じで個性がありません。木製窓の既製品もありますが、高価だったり輸入品でパーツがすぐに揃わなかったりと不満も多いようです。
今回、スープファニチャーでお作りさせていただいた窓は、既製品ほどの機能性はありません。サッシのようにいつまでも劣化の少ない材質ではないので、2〜3年おきの塗装も必要です。梅雨時期には開け閉めが少し硬くなったりするかもしれませんし、小さなアリやびわこ虫の侵入は防げないかもしれません。
それでも、それでも、天然素材である木製の窓は、無機質な工業製品と違ってインテリアにも自然に溶け込み、住む人をなごませてくれるのではないでしょうか。どんどん味わい深くなっていく自然素材の表情は素敵なものです。
考えられる工夫はすべて詰め込みました。もちろん窓はペアガラスを使用しました。モヘアとパッキンを全周に回し、できる限り隙間を無くしました。開き戸も素敵なので作ろうかと悩んだのですが、網戸を使用するのが前提の日本の環境での使い勝手を考慮して、引き戸と上げ下げ窓に絞りました。
今回、家具ではあまり使わない金物も使用しました。上の写真は、「カーロック」と呼ばれる金具です。別名「汽車窓金具」とも呼ばれます。懐かしいと感じる人もいるのではないでしょうか。真鍮製です。
これは皆さん見たことがあると思いますが、名前は知らない方も多いのでは?「クレセント」と言います。こちらも今では珍しい真鍮製です。
年月が経つとともに、味わいの増すやさしい窓に仕上がったと思います。一つづつ手作りでお作りさせていただくスープファニチャーの窓。このテイスト、お客さまに気に入ってもらえるといいのですが。。。